
Eugène Louis Boudin · PD
トルーヴィル、潮を待つ
作品情報
ストーリー
「トルーヴィル、潮待ち」という英語の題は、ブーダン自身がつけたものではないようです。所蔵するグリニッジの国立海事博物館は、入手したときの題をそのまま使っていると説明しています。ブーダンはこうした小さな板絵を数多く描きました。描かれているのは、引き潮で砂の上に取り残された漁船です。マストは思い思いの方向に傾き、潮が満ちて船が浮かぶのを待っています。マストには三色旗が掲げられていて、何かの祝いの日だったのでしょう。右下には署名と1874年の年記があります。この年のフランスでは、三色旗そのものが政治の問題でした。前年の秋、王位継承者とされたシャンボール伯が三色旗のもとで即位することを拒み、ブルボン家の白旗にこだわったことが、王政復古の計画が頓挫する一因となったのです。




