
冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏
作品情報
ストーリー
1913年の春、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトは日本にいました。東京の帝国ホテルの設計を手に入れようと動きながら、ボストンのウィリアムとジョンのスポルディング兄弟のために浮世絵を買い集めていたのです。この「神奈川沖浪裏」の一枚も、ライトが兄弟に売った作品のひとつでした。版元はこの図柄を大量に摺っており、これはその中の一枚です。1921年、兄弟がボストン美術館にコレクションを寄贈したとき、その数は6000点を超えていました。そして兄弟はひとつ変わった条件をつけます。作品を展示室に並べてはならない、というものです。浮世絵の色の多くは光に当たるとすぐに褪せてしまうため、届いたときの状態のまま守りたかったのです。そのためこの一枚は100年以上を収蔵庫の中で過ごし、ほとんどの人は写真でしか見たことがありません。美術館は「神奈川沖浪裏」を七枚所蔵しています。整理番号21.6765のこの一枚には北斎の署名がありますが、改印も版元印もありません。




