
Didier Descouens · PD
ヴェネツィア、ドージェの海との婚姻の儀式が行われるピアツェッタ
作品情報
ストーリー
ヴェネツィア共和国では何世紀ものあいだ、キリスト昇天祭の日に総督が金色の御座船で沖へ出て、アドリア海に金の指輪を投げ入れていました。「海との結婚」と呼ばれるこの儀式は、海を治めるのはヴェネツィアだという宣言でした。1797年に共和国がナポレオンの前に倒れると儀式も途絶え、翌年にはフランス兵が金を取るために御座船を焼いています。ターナーがこの場面に取りかかったのは1835年頃、二度目のヴェネツィア訪問から二年後のことで、もう40年近く誰も目にしていない光景でした。はっきり描き込まれているのは、サン・マルコの鐘楼と、右手のドゥカーレ宮殿の上半分ほどです。ターナーは途中で筆を置き、絵は未完成のまま残りました。左手前の人々の中に、指輪を差し出す総督の姿がありますが、周りと同じく下描きのような状態のままです。




