
Jean-Auguste-Dominique Ingres · PD
アナデュオメネのヴィーナス
作品情報
ストーリー
アングルがこの《アナディオメネのヴィーナス》に取りかかったのは、ローマに留学していた1808年、まだ20代の頃だった。海の泡から生まれ出るヴィーナスが、両腕を上げて濡れた髪をしぼり、足もとでは小さなアモルたちがたわむれている。ところがアングルは、この絵をすぐには仕上げなかった。四十年ものあいだ手もとに置き、ようやく1848年、60代になってから完成させている。その長い歳月のあいだ、彼は理想の裸体像を、なめらかで一分のゆがみもない輪郭で描くことを追い求め続けた。若い日に思い描いた女神が、ついに形を得たのは、フランスが再び革命に揺れた年のことだった。




