
Titian · PD
キューピッドに目隠しをするヴィーナス
作品情報
ストーリー
ティツィアーノがこれを描いたのはすでに老年、おそらく七十を過ぎたころで、なお彼はヴェネツィアで、輪郭を光へと溶かす自在でけむるような筆を振るっていた。長いあいだ、何を描いたものかさえ分からず、《三美神》と呼ばれていた。定着したのは愛の場面という読みである。ヴィーナスが一人のクピドの目に布を巻きつける一方、その背後にもう一人がいて、目を開けたままでいる。学者パノフスキーはこの二人を、盲目の欲望と、はっきり見通す愛と読み、画面全体を結婚の寓意ととらえた。二人のニンフが弓と矢筒を運んでくる。1608年、一人の枢機卿がこの絵をシピオーネ・ボルゲーゼに贈り、以来それは彼のローマの邸館に掛けられている。




