
聖母子
作品情報
ストーリー
「謙遜の聖母」は、14世紀のシエナで生まれた図像の型です。それ以前の画家たちが玉座に据えていたマリアを、地面やクッションの上に低く座らせ、その大地への近さがこの名の由来になりました。マソリーノはそこにもうひとつの考えを重ねています。いちばん上で父なる神が身を乗り出し、そのすぐ下に聖霊の鳩が浮かび、鳩の下でマリアが幼子に乳を与えています。美術館はこの縦の並びを三位一体と読み、授乳する母と組み合わせることで、キリストが真の神であり真の人であることを示していると説明しています。幼子には確かな重みがあり、彫刻のように固い体つきですが、金地の背景とマリアの柔らかく流れる衣は古いゴシックの様式にとどまっています。
制作年は見た目ほど確かではありません。美術館は1435年ごろとしています。ほかの研究者は、1423年の年記をもつブレーメンの聖母に近い1420年代に置いてきました。さらに、ミュンヘンの王立絵画館時代の古い写真は、画家の名をまったく挙げず、ただ「フィレンツェ派、1440年ごろ」と記しています。




