
供物の壺を運ぶ女性の壁面浮彫
作品情報
ストーリー
この彩色石灰岩の小さな石材は高さ約26センチで、メンチュヘテプ2世の妃のひとり、ケムシトの墓の礼拝堂から来たものです。ケムシトは「王の愛する妻」の称号をもち、愛と音楽の女神ハトホルの神官を務めていました。葬られたのはテーベ西岸のデイル・エル=バハリ、王自身の葬祭殿の背後で、ほかにも何人かの王家の女性たちがそこに眠り、その小さな礼拝堂は彩色浮彫で飾られていました。
この石の女性は、三つに分かれて垂れる重たいかつらと幅広の襟飾りをつけ、供物の壺を前へ差し出しながら進んでいます。ケムシトの墓から出た別の浮彫は大英博物館にあり、そこには低い椅子に座った妃本人が、香油の壺を鼻に寄せ、召使いの男が飲み物を注いでいる姿が描かれています。
20世紀の初め、スイスの考古学者エドゥアール・ナヴィルがエジプト探査基金のためにこの神殿を発掘し、礼拝堂の断片はいくつもの美術館に散っていきました。ルーヴルはこの一片を、1908年から1909年にかけてカイロの商人モーリス・ナフマンから購入しました。




