
William-Adolphe Bouguereau · PD
愛のささやき
作品情報
ストーリー
1889年、パリは万国博覧会の幕を開け、完成したばかりのエッフェル塔を披露していた。若い世代の画家たちは荒い筆致と同時代の主題へと向かっていたが、ブグローはあえて逆の道を歩んだ。岩に腰かけた若い女性が、腕に水がめを抱えている。翼をもったキューピッドが身を寄せ、その耳もとに何かをささやく。画面はどこも磁器のようになめらかに仕上げられ、サロンがなお重んじたアカデミスムの手法そのものだ。彼ははじめこれを「愛の歌」と呼び、のちに画商が名を付け替え、いまニューオーリンズ美術館は「愛のささやき」として所蔵している。モデルが誰であったかは、ついにわかっていない。




