
Henri Matisse, Woman Reading, 1895. Wikimedia Commons.
読書する女性
作品情報
ストーリー
フォーヴィスムの鮮烈な色で知られるようになる前、若きアンリ・マティスは、こんなにも暗く静かな室内画を描いていた。1895年のこの一枚では、一人の女性がこちらに背を向け、ものにあふれた部屋のなかで本を読みふけっている。褐色と灰色を基調にした画面には、ルーヴルで模写を重ねた古い巨匠たちの響きがまだ色濃く残っている。作者はこのとき二十代半ば。翌1896年、フランス政府がこの絵を買い上げ、パリ近郊ランブイエにある大統領の公邸に掛けた。マティスの作品が国家に迎えられたのは、これが初めてのことだった。




