フィレンツェの男

フィレンツェの男


作品情報

制作年
1888

ストーリー

この肖像の女性はフィレンツェの人で、ヴェリチコフは1888年、みずからも暮らしていたフィレンツェで彼女を描いた。彼は三十を過ぎてから絵を学ぶためにこの町へ来たが、故郷ブルガリアではすでに、まったく別の仕事で名を知られていた。フィレンツェはそれにふさわしい場所だった。ここの美術館は何世紀ものあいだ画家たちを育ててきた。彼は最も素朴な課題を自らに課した。一人のモデルが、肖像のために腰かけているだけの絵である。筆をとった歳月は短かった。ほかの務めがまもなく彼を、オスマン支配を脱してわずか十年ばかりのブルガリアへ呼び戻すことになり、絵画は多忙な生涯の一部にとどまった。この一枚は、その短いイタリアの時期のもの、ほとんど大陸を横切ってフィレンツェの工房で仕事につくためにやってきた男の手になるものだ。

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