
Jacopo Tintoretto · PD
ヴェネツィアの元老院議員あるいは書記官
作品情報
ストーリー
1857年、マドリードの王立美術館、のちのプラドで目録を作っていた係官がこの一点に行き当たり、第767番として書き留めた。半身像、白髪まじりの髭、黒い帽子と黒い衣、ヴェネツィア元老院の書記官が着るものによく似た装い、と。館が今も使っている題名は、このときの見立てから来ている。それ以前、1814年から1818年の王宮の目録では、同じ絵は食堂に掛かり、聖職者の肖像とされていた。ヴェネツィアでは、その二つの間に身分の線が引かれていた。元老院議員は貴族である。元老院の書記官はcittadini originariと呼ばれる非貴族の市民から出て、総督府の書記局を担い、共和国の機密文書を預かった。彼らに開かれた最も高い職がそれだった。館の記録は今も人物の名を挙げず、制作年も16世紀とだけ記している。767の数字は、画布の表、左下に橙色の手書きで残っている。




