
El Greco, Adoration of the name of Jesus, 1577. Wikimedia Commons. · PD
イエスの御名の礼拝
作品情報
ストーリー
1570年代にスペインへ渡って間もない頃、クレタ島に生まれヴェネツィアとローマで腕を磨いたエル・グレコは、フェリペ2世の宮廷で足がかりをつかもうとしていた。ここに描かれるのはイエスの聖名への礼拝で、天にはIHSの文字が燃え、その下に信者たちが列をなして跪く。人々の中に、後ろ姿で黒い装いの人物がいる。フェリペ2世その人であり、傍らには教皇とヴェネツィアの元首が控える。三者はかつて神聖同盟を結び、その艦隊はほんの数年前の1571年、レパントでオスマン海軍を打ち破った。この絵はその同盟への感謝として読める。右手には海の怪物が燃える口を大きく開き、罪人たちを呑み込んでいく。フェリペはこの作品を手元に置いたが、画家が望んだ大きな王室の注文を与えるほど気に入ることはなかった。




