
El Greco, The Burial of the Count of Orgaz, 1586. Wikimedia Commons. · PD
オルガス伯の埋葬
作品情報
ストーリー
トレドのサント・トメ教会には、400年以上ものあいだ、描かれたその壁を一度も離れていない絵がある。エル・グレコが1586年から二年ほどかけて仕上げた、縦がおよそ4.8メートルもある大画面だ。
主題は、この土地に古くから伝わる奇跡である。14世紀、信心深いオルガスの領主が葬られるとき、天から聖ステファノと聖アウグスティヌスが降りてきて、みずからの手で亡骸を墓へ納めたという。画面は上下にはっきりと分かれ、下では現実のトレドの貴族や聖職者たちが黒い服で葬列に並び、上では魂が細く引き伸ばされて天へ昇っていく。
下段に並ぶ人々は、当時グレコが知っていたトレドの名士たちの肖像でもある。左下でこちらを見上げる少年は、画家の息子ホルヘ・マヌエルだと言われる。その胸元からのぞくハンカチには、グレコの本名テオトコプロスの署名と、息子が生まれた1578年の数字が、小さく書き込まれている。




