
Grant Wood · PD
アメリカン・ゴシック
音声ガイド
作品情報
ストーリー
1930年、アイオワ州の小さな町エルドンで、グラント・ウッドは一軒の質素な白い木造家屋に目を留めた。屋根の下にのぞくとがったゴシック風の窓が、開拓地の農家には不釣り合いなほど立派だったからだ。ウッドはその家の前に二人の人物を立たせた。熊手を握る厳格な表情の男と、そのかたわらの女性。多くの人が夫婦と思い込むが、画家の意図は父と娘だった。モデルは実在する。男はウッドのかかりつけの歯科医バイロン・マッキービー、女は画家の妹ナンである。この絵が世に出てまもなく世界恐慌が深刻化すると、人々はこの二人に、逆境に耐えるアメリカ中西部の開拓者精神を重ねて見るようになった。素朴な人々への称賛なのか、田舎への皮肉なのか。受け取り方はいまも割れている。男が握る三叉の熊手の形は、背後の窓の桟や男のオーバーオールの縫い目にも、繰り返し響いている。



