
Grant Wood · PD
成年を迎えるアーノルド
作品情報
ストーリー
グラント・ウッドがこの絵を描いたのは1930年、代表作《アメリカン・ゴシック》と同じ年である。その一枚が、ほとんど一夜にして彼を、ヨーロッパに背を向けた中西部の美術の顔にした。だがこれはごく私的な肖像だ。若い工房助手アーノルド・パイルの21歳の誕生日のために描かれた。題名がいう「成年」である。パイルは穏やかに澄んだ目をして、アイオワのなだらかな畑を背に立つ。その遠く後方では、裸の若者が二人、川で水浴びをしている。小さなその姿は、ウッドが愛したイタリア・ルネサンス絵画への目くばせだ。ウッドはパイルのベルトの留め金のわきに自分の署名を記し、頭文字「A.P.」のすぐ隣に並べた。二つの名がこの画布の上で永く寄り添うように。



