
手紙を口述する士官
作品情報
ストーリー
手紙をしたためる場面のなかで、青い胴着の男だけがまっすぐこちらを見ています。拍車、剣、背中に下げたラッパから、当時の人々には彼がラッパ手、つまり号令を吹き、伝令も務めた騎兵だとわかりました。おそらく手紙の書き上がりを待っているのでしょう。黒い帽子の士官が口述し、胸甲と兜の兵士が筆を走らせています。テル・ボルフは1630年代に騒がしい衛兵詰所の場面から出発し、1650年代半ばには同じ兵士たちを、静かで読み解きにくい姿に変えていました。ただ、はじめは手紙の中身を明かしていたのです。床にハートのエースを描いて恋文であることをはっきり示し、そのあと塗りつぶしました。400年近くたって上の絵の具が薄くなり、スパニエルの後ろ脚のすぐ前に、そのカードがふたたび透けて見えています。




