
Paul Cézanne · PD
水浴する人々
作品情報
ストーリー
セザンヌは生涯にわたって水浴の場面を描き続けた。油彩と水彩を合わせて200点近くになる。野外にモデルを立たせたのではなく、若いころに泳いだエクス近郊のアルク川の記憶と、美術館で写した彫刻や古い絵の姿勢を組み合わせ、何度も並べ替えていた。1890年前後に描かれたこの小さな画面も、屋外で水浴する男たちを扱ったその系列の一つだ。
絵がたどった道のりは変わっている。20世紀の前半、これはドイツの実業家オットー・クレープスの手にあった。ワイマール近郊の屋敷にフランス近代絵画を集め、それを公開しなかった人物だ。1945年、コレクションはソ連へ運ばれ、エルミタージュ美術館の収蔵庫に入る。
所在が公にされたのは1995年だった。〈明かされた秘宝〉と題した展覧会で、クレープスが抱えこんでいた絵は半世紀ぶりに人目に触れている。




