
Wassily Kandinsky · PD
リューゲン島のビンツ(黄昏)
作品情報
ストーリー
バルト海に浮かぶリューゲン島のビンツは、19世紀の終わりに海水浴場として急に大きくなった村である。1895年に小さな鉄道が敷かれるとベルリンからの避暑客が押し寄せ、砂浜に沿って白い木造の保養館が並んでいった。カンディンスキーがそこで描いたのは、賑わう浜ではない。日が落ちたあとの、空と海の色である。
小さな画面の上に、絵具は筆よりもパレットナイフで厚く置かれている。形を描き起こしていくのではなく、色の塊を積み上げていくやり方で、のちの彼の画面につながる手触りがここにすでにある。制作年は定まっていない。所蔵するパリの国立近代美術館は1903年としているが、カンディンスキーがビンツに滞在した記録が残るのは1901年の夏だけで、その同じ滞在中に描かれたとみられる数点が今も知られている。




