
Pierre-Auguste Renoir · PD
チューリップの花束
作品情報
ストーリー
1905年、64歳のルノワールはリヴィエラのカーニュで冬を越していた。関節リウマチが少しずつ閉じていく手を、暖かさがいくらか楽にしてくれたからである。彼はその状態でさらに14年描き続けた。花はその方法の一部だった。画商アンブロワーズ・ヴォラールに彼はこう話している。花を描いていると頭が休まる、思い切って絵具を置き、色の値を試してみても、画布を台無しにする心配がない、人物を前にしているときには決してできないことだ、と。緑の花瓶に挿したチューリップを、赤と砂色の広い筆致を背にして置いたこの一枚は、その自由なほうの仕事から出てきている。絵は1919年に彼が死ぬまでアトリエに残っていた。十年後にパリの画商ポール・ギヨームが買い、1963年、のちにジャン・ヴァルテール夫人となっていたその未亡人から、フランス国家が取得した。




