
Hans Holbein the Younger · PD
シャルル・ド・ソリエ、モレット卿
作品情報
ストーリー
1534年4月3日、フランス王フランソワ1世の大使として、モレット卿シャルル・ド・ソリエがロンドンに着任しました。ヘンリー8世の宮廷に留まったのは、翌1535年の7月26日までです。ホルバインはこの間に彼を描いています。
ところが、この肖像はその後、何度も名前を変えることになります。イタリアのモデナ公の所蔵となり、1657年の美術書はまだ「北方の優れた画家、オルベーノなる者」の作としていました。やがて「モレット」が「モーロ」に転じ、モデルはミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァ、通称イル・モーロに、作者はレオナルド・ダ・ヴィンチに変わります。1746年にドレスデンへ来たときも、レオナルドの作品としてでした。19世紀にホルバインの作と認められた後も、今度はヘンリー8世の宝石商ヒューバート・モレットだと考えられ、フランスの大使だと突き止められたのは1881年のことです。
黒ずくめの装いのなかで光を受けているのは、顔と白い袖口、毛皮の襟、そして散りばめられた金だけです。素手の右手は折りたたんだ手袋を持ったまま短剣の柄を握り、手袋をはめた左手は金色の長い鞘を支えています。





