
El Greco · CC0
盲人を癒すキリスト
作品情報
ストーリー
エル・グレコはクレタ島の生まれで、金地を用いる平面的なビザンティンのイコンの流儀を学んで育った。これはヴェネツィアに着いてまもなく描いた最初期の一枚で、まだティツィアーノやティントレットに学んでいたころの作である。福音書の一場面で、キリストが盲人の目を開かせ、まわりの人々がざわめく。舞台はタイル張りの床をもつ広間で、切り立った建築が奥へと落ち込んでいく。彼が身につけたばかりの遠近法だ。右手から駆け込んでくる一群は、街で目にしたであろうティントレットの作からほとんどそのまま借りている。よほど大切だったのか、1576年ごろイタリアを離れてスペインへ向かうとき、彼はこの絵を携えていった。左上の隅は描きかけのままで、下描きの線がいまも見える。カンヴァスは現在、ニューヨークのメトロポリタン美術館にある。




