
Dieric Bouts · PD
ファリサイ人シモンの家のキリスト
作品情報
ストーリー
バウツはこの福音書の場面を、古代のユダヤではなく、彼自身の時代の小ぎれいなフランドルの一室に置いた。十五世紀の半ばごろのことである。物語はルカ福音書による。ファリサイ派のシモンがキリストを食事に招くと、宴の最中、罪深い女として指さされ、後にマグダラのマリアと重ねられた女が足もとにひざまずき、涙で足を濡らし、自分の髪で拭う。すべては沈黙のうちに、それぞれの内に沈んだ人物たちのあいだで、丁寧に加減された光と、新しい油彩がはじめて可能にした深い色のなかで進む。この構図はたいそう好まれ、画家の息子アルブレヒト・バウツをはじめ、幾世代にもわたって模写された。




