
Dieric Bouts · PD
聖母の生涯の場面を描いた三連祭壇画
作品情報
ストーリー
1445年ごろ、ディーリック・バウツはルーヴェンで制作していた。ネーデルラントの画家たちが、部屋や窓、床のタイルに落ちる光を油彩でどう写し取るかをヨーロッパ中に教えていた時代である。この三連祭壇画は、聖母マリアの生涯の始まりを、受胎告知、エリサベト訪問、キリスト降誕、そして東方三博士の礼拝という四つの場面に展開し、いずれも奥へと視線を導く緻密な建築のなかに収めている。左右の板はかつて蝶番でつながれ、全体を戸棚のように閉じることができた。1584年にはすでにマドリード郊外のフェリペ2世の宮殿修道院エスコリアルにあり、こうしてフランドルの祭壇画はプラド美術館へと渡った。バウツは人物を静かに留め、その瞬間を演じるより、味わわせている。




