
Unknown, Concert in the Egg, 1560. Wikimedia Commons. · PD
卵の中の演奏会
作品情報
ストーリー
割れた巨大な卵の殻の中に歌い手たちがひしめき、開いた歌集をのぞき込んでいる。その間に修道士や修道女、道化たちがそっと彼らの財布を抜き取る。本に描かれた楽譜は本物だ。1549年に作曲家トマ・クレキヨンが出版したシャンソン「Toutes les nuictz(毎夜)」の音符が描き込まれている。そこから制作の時期がおよそ1560年と分かる。ヒエロニムス・ボスの様式によりながら、その死から40年以上もあとのことだ。ボス自身はこの画布に一度も筆を触れていない。これは失われたボスの着想をもとにした追随者の作で、彼の死後も、混み合った教訓的な場面を写し組み替えた多くの一枚である。ボス風の絵がまだ売れた時代の産物だ。主題は愚かさ。財布を抜かれながら歌い続ける人々である。




