
Wassily Kandinsky · PD
コングロメラート
作品情報
ストーリー
1943年、カンディンスキーはパリ西郊ヌイイ=シュル=セーヌの同じ住居に移って10年目を迎えていた。パリがドイツ軍の占領下に入ってからは三年が経っている。ドイツは1937年に彼の作品を退廃芸術として断罪し、美術館から数十点を引き上げていたので、見せる作品も、見せる場所もほとんど残っていなかった。76歳の彼は、戦時中ずっとそうしたように、カンヴァスではなく厚紙に、小さな寸法で描いている。この一枚は縦58センチ、横42センチ、油彩とガッシュである。かたちはフランスに来てから使うようになった柔らかい生物的なもので、バウハウス時代の定規で引いた円よりも、顕微鏡で覗いたものに近い。このあと彼が描いた絵はごくわずかで、1944年12月にヌイイで世を去った。未亡人ニーナが1981年、この絵をポンピドゥー・センターに遺贈している。




