
Peter Paul Rubens, Crown of Thorns, 1612. Wikimedia Commons. · PD
茨の冠
作品情報
ストーリー
ルーベンスはイタリアで八年を過ごし、古代美術とヴェネツィア派の巨匠たちを吸収した。1608年にアントウェルペンへ戻ると、たちまち北ヨーロッパで最も多忙な画家になる。1612年ごろに描いたこの《エッケ・ホモ》は、鞭打たれたのち群衆の前に引き出されたキリストを描き、イタリアをそのまま持ち帰ったような作品だ。この姿勢は思いつきではない。彼はローマのボルゲーゼ美術館で、腕を後ろにねじられ上体を前に突き出した有名な古代のケンタウロス像を素描しており、その緊張した体をキリストの姿に移し替えた。茨の冠と深紅のマントは、王であることをからかう兵士たちの残酷な悪ふざけだ。18世紀の終わりには、この板絵はサンクトペテルブルクのロシア貴族の手に渡り、そのまま留まった。




