
Henri Matisse · PD
踊り子、黒い背景、ロカイユ様式の肘掛け椅子
作品情報
ストーリー
1942年、マティスはニースの骨董屋の前で一脚の椅子に釘づけになった。ヴェネツィア製の銀めっきの肘掛け椅子で、背と座面は貝殻の形にうねり、肘の先には海蛇の頭がついている。詩人ルイ・アラゴンに宛てて彼は書いた。一年ものあいだ探していたものについに出会った、すっかり取り憑かれている、と。
椅子はシミエの丘にある旧レジナ・ホテルの彼の部屋へ運び込まれ、以後の数年、油彩にも木炭素描にも何度も現れる。東京のアーティゾン美術館が2021年に買った横65.7センチのこの絵も、1942年9月にその部屋で描かれた。
黒い床の部屋に、黄色い椅子が二脚。一方に青い服の踊り子がもたれ、もう一方が例の貝殻の椅子で、その座面には器と三つの果実が置かれている。




