
Claude Monet · PD
ロシュ・ノワール・ホテル
作品情報
ストーリー
1870年の夏、ノルマンディー海岸のトルーヴィルは、第二帝政期のもっとも華やかな海辺の保養地だった。モネはモデルであり伴侶でもあったカミーユと結婚したばかりで、二人はここで海辺のひとときを過ごした。彼はこの大きなホテルを戸外で描いた。旗が風にはためき、空にはほつれた雲が流れていく。縦長の画面は、下方でくつろぐ避暑客の静けさと、上方で風に揺れるすべてとを向かい合わせる。画面はのどかさに満ちているが、その日々は残り少なかった。7月19日、フランスはプロイセンに宣戦していた。秋になるとモネは英仏海峡を渡り、ロンドンへ逃れる。祖国が敗戦へと沈んでいくあいだのことだった。




