
Jacques-Louis David · PD
ユピテルとアンティオペ
作品情報
ストーリー
ジャック=ルイ・ダヴィッドといえば、革命へと傾いていくフランスのために描かれた、冷たく厳しいローマの徳の絵で知られています。この絵はそうした一枚ではありません。描かれたのは1771年ごろ、彼が二十歳そこそこ、まだローマ賞に何度も落ち続けていた学生のころのことです。ローマ賞は、受かればイタリア留学へ送り出してくれる褒賞でした。ここでの彼は、一つ前の世代のやわらかく官能的な筆づかいで描いています。厚い衣の襞のあいだに眠るアンティオペに、ユピテルが近づいていく。のちにダヴィッドは、若き日の仕事のほとんどを否定しました。この絵の帰属を確かめるのに手間がかかったのも、一つにはそのためです。絵は彼自身の一族のなかで受け継がれました。彼はいとこに贈り、その子孫が1896年、サンスの町の美術館に遺贈したのです。




