
Jacques-Louis David · PD
ナポレオンの戴冠式
音声ガイド
作品情報
ストーリー
1804年12月2日、パリのノートルダム大聖堂で、ナポレオンは自らを皇帝の座に就けた。ダヴィッドはその首席画家として、幅10メートル近い巨大な画面にこの日を記録する。だが彼が描いたのは、事実そのままではない。ナポレオンは教皇ピウス7世の手からではなく、自分の手で冠を取り、ひざまずく妻ジョゼフィーヌに戴かせようとしている。教皇は右手をあげて祝福するばかりだ。当時41歳だったジョゼフィーヌは、二十歳そこそこの若さで描かれた。さらに、実際には式を欠席していたナポレオンの母が、正面の桟敷にゆったりと座らされている。皇帝が望む物語に合わせて、画面のなかの真実は静かに書き換えられているのだ。ずらりと並ぶ参列者は、ひとりひとり見分けがつくように描き分けられている。




