
Henri Matisse · PD
開いた窓
作品情報
ストーリー
マティスがニースに移ったのは1917年12月で、しばらくはホテル暮らしが続いた。この絵が描かれた1919年に彼が部屋を借りていたのは海沿いのオテル・メディテラネで、のちに彼はあの建物の光を懐かしんで語っている。鎧戸の隙間から入る朝の光、古びたロココ風の天井。
そこで彼が繰り返し描いたのが、部屋の窓だった。開いた両開きの扉、白いカーテン、その向こうのバルコニーと外の明るさ。第一次大戦が終わった翌年のフランスで、こうした穏やかな室内画は前衛からの後退だという声が、当時から出ていた。マティスはかまわず、ニースの一室の窓を何枚も描き続ける。
この一枚は1963年、収集家のアデルとジョルジュ・ベッソン夫妻が国に寄贈したもので、1965年からは南仏バニョル=シュル=セーズの小さな美術館に預けられている。ルノワールの友人だった画家アルベール・アンドレが育てた美術館だ。




