
聖母、洗礼者ヨハネ、アレクサンドリアの聖カタリナと寄進者による、キリストの哀悼
作品情報
ストーリー
甲冑姿でこの「キリストの哀悼」の端にいる男性が、注文主のエルナンド・サストリです。コジモ1世・デ・メディチのフィレンツェ宮廷で育ったスペイン人で、1576年に聖ステファノ騎士団の騎士となりました。この騎士団は、オスマン帝国のトルコ人や地中海の海賊と戦うため、1561年にコジモが創設したもので、胸当てにはその赤い十字が見え、そばには彼の紋章が立てかけられています。のちにメディチ家の要塞フォルテッツァ・ダ・バッソの城代となったエルナンドは、1590年代初めごろ、要塞内の洗礼者ヨハネ礼拝堂のためにサンティ・ディ・ティートにこの絵を注文しました。そのため、ふつうは福音書記者ヨハネが嘆く位置に、毛皮をまとった洗礼者ヨハネが立っています。手前に横たえられたキリストの体は、祭壇の上ではミサが行われる台のすぐ上に来る配置で、プロテスタントが否定した聖体の犠牲を思い起こさせました。隅には釘、槌、やっとこ、茨の冠が置かれています。

