
Peter Paul Rubens · PD
ピレモンとバウキスのいる風景
作品情報
ストーリー
物語はオウィディウスの『変身物語』による。ユピテルとメルクリウスが旅人の姿でこの世に下り、いくつもの家の戸を叩くが、迎え入れたのは貧しい老夫婦フィレモンとバウキスだけだった。罰として神々は一帯を洪水に沈め、この夫婦だけを救い、間に合ううちに丘の上へ導く。ルーベンスが1620年ごろに描いたのは、まさにその洪水の瞬間である。そして彼が本当に心を奪われているのは天災そのものだ。重く垂れこめた空、たたきつける豪雨、堤を越えた濁流、すでに溺れゆく人々。救われた夫婦は、画面右手に小さく、ひざまずいた姿で探すしかない。この絵はウィーン美術史美術館にある。




