
Henri Matisse · PD
豪奢 I
作品情報
ストーリー
1907年秋のサロン・ドートンヌにこの絵が並んだとき、批評家の多くは描きかけだと受け取った。輪郭は太く、色は薄く、形をわざと投げ出していると書かれもした。
その色の薄さには出どころがある。マティスはその年イタリアを旅し、フィレンツェやアレッツォ、パドヴァで初期ルネサンスの壁画を見ていた。乾いた漆喰に染み込んだような、あの淡い色調である。
画面の高さは二メートルを超える。同じ寸法の木炭の下絵が別に残っていて、壁画の職人が使うカルトンと同じやり方で、大きな画布に構図を移している。
まもなくマティスはほぼ同じ構図をもう一度描いた。そちらは輪郭の内側が平らな色面で塗り分けられ、いまはコペンハーゲンにある。




