
Raphael, Madonna del Granduca, 1506. Wikimedia Commons. · PD
グランドゥーカの聖母
作品情報
ストーリー
1500年代の初め、若いラファエロはフィレンツェで、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵から多くを学んでいた。この聖母子には、そのやわらかな輪郭のぼかしが生きている。聖母は幼子を抱き、静かに目を伏せる。飾り気はなく、ただ穏やかな親密さだけがある。背景は今、深い闇に沈んでいる。だがX線で調べると、もともとは窓のある部屋が描かれていたことが分かった。暗い背景は、後の時代に上から塗られたものだ。この絵が《大公の聖母》と呼ばれるのは、18世紀末にトスカーナ大公フェルディナンド3世がこれを買い求めたためだ。大公はこの小さな聖母を愛し、旅先へも肌身離さず持ち歩いたと伝えられている。




