
Sandro Botticelli · PD
天蓋の聖母
作品情報
ストーリー
1490年ごろ、ボッティチェリは画業の終わりに近いころ、フィレンツェの家庭が家で行う私的な祈りのためにこの円形の板絵を描いた。名は上部の豪奢な布の天蓋、パディリオーネに由来し、二人の天使がその赤い帳を左右に開いて、まるで秘密を明かすかのようだ。内側では、聖母が幼子の世話をし、三人目の天使が幼子を支えている。この円い画面はトンドと呼ばれ、まさにこうした親密な家庭用の聖像のためにフィレンツェで好まれた。聖母は胸から乳をしぼって幼子へ差し向ける。授乳する者としてのマリアという古い図像である。ボッティチェリがこれを描いたのは、説教師サヴォナローラがフィレンツェを掌握し、街を世俗の芸術に背かせていく、その少し前の年月だった。




