
Didier Descouens · PD
栄光の聖母
作品情報
ストーリー
手前で上を見上げている黒衣の白髭の老人が、この絵の代金を払った人物である。フランチェスコ・ゲラルディーニは、ヴェネツィアから内陸、ロヴィーゴ近くの平野の小さな町レンディナーラにあるサン・フランチェスコ聖堂のために、この祭壇画を注文した。雲のなかの聖母子の下に並ぶのは、その地のフランチェスコ会が望んだであろう聖人たちで、フランチェスコ本人、枢機卿の赤をまとうボナヴェントゥラ、百合を持つパドヴァのアントニウス、そして司教冠を傍らに置いて跪く若いトゥールーズのルドヴィコである。やがて聖堂はこれを手放した。1798年に競売にかけられ、イタリアの個人の手を経て、ヴェネツィアの画商からフランスの蒐集家アルフレッド・シャベールが買い取り、1876年にナルボンヌへ寄贈している。旧大司教館に入るその美術館は、いまもこれをティントレット本人の作とは断定せず、帰属作として登録している。




