
Leonardo da Vinci, Madonna of the Carnation, 1475. Wikimedia Commons. · PD
カーネーションの聖母
作品情報
ストーリー
1470年代のフィレンツェ。20歳を過ぎたばかりのレオナルドは、まだアンドレア・デル・ヴェロッキオの工房で腕を磨く一人の弟子だった。この小さな板絵は、そのころの手になる最初期の作品と考えられている。イタリア絵画がテンペラから油彩へ移っていく、ちょうどその変わり目の仕事でもある。
若い聖母が、膝のイエスに赤いカーネーションを差し出している。母子の顔にだけ光が当たり、背後の花や、窓の外に見える山々は青くかすんでいく。若いレオナルドが早くも試していた、遠くのものを霞ませて奥行きを出すやり方の芽がここにある。
油絵具の扱いにはまだ慣れていなかったらしく、聖母の顔の絵具は乾くときに縮み、細かなひび割れが今も残っている。ドイツの美術館が持つ唯一のレオナルド作品として、この絵は1889年からミュンヘンのアルテ・ピナコテークにおさまっている。




