
Raphael · PD
バラの聖母
作品情報
ストーリー
ラファエロが亡くなる数年前の1517年ごろ、彼のローマの工房は途方もない量の注文を抱えていた。教皇の仕事から個人の祈禱画まで、師の下絵をもとに弟子たちが筆を進めることも多かった。この《薔薇の聖母》も、長くラファエロ自身の手になる作品とされてきたが、19世紀以降、少なくとも一部は工房の弟子、とりわけジュリオ・ロマーノの手が入っていると考えられるようになった。聖母と幼子キリスト、幼い洗礼者ヨハネ、そしてヨセフが穏やかに寄り添う構図で、画面下部に置かれた一輪の薔薇は、のちに別の手で描き加えられたと長く言われてきた。近年の分析ではその下部もラファエロによる可能性が指摘されており、どこまでが師自身の筆かは、今も専門家の間で意見が分かれている。




