
Didier Descouens · CC-BY-SA-4.0
マルキオストロの受胎告知
作品情報
ストーリー
1520年ごろ、ティツィアーノはまだヴェネツィアで頭角を現しつつある若い画家で、そのころトレヴィーゾ大聖堂の主祭壇のわきにある個人礼拝堂のためにこの絵を依頼されました。費用を出したのは司教の秘書ブロッカルド・マルキオストロで、礼拝堂は今もその名を残しています。当時の信者がまず気づいたのは、場面が反転していることでした。多くの「受胎告知」では、大天使ガブリエルが左から入り、聖母がそちらへ振り向きます。ここではマリアが正面を向いてすぐ近くに立ち、ガブリエルは光と影の帯に沿って奥へ退いていきます。まるで神聖なものが部屋の奥から入り込んでくるかのようです。壁の高い所には、ひざまずくマルキオストロ自身の小さな肖像が礼拝堂を見守っています。




