
Jacopo Tintoretto · PD
金の鎖を持つ男
作品情報
ストーリー
この絵はかつて楕円形だった。マドリードの王宮に入ったあと、1700年から1734年のあいだに楕円に仕立て直されている。当時の宮廷では楕円の肖像画が好まれていたからで、1772年の目録では再び長方形に戻っている。ティントレットが描いたのは1555年ごろ、ヴェネツィアでのことだ。背景は何もなく、光は左から鋭く差し、色といえるものは黒い衣装と白い襟と袖口、そして金の鎖だけになる。描かれた男が誰かは今も定まらない。最も有力なのは1515年から1565年まで生きたヴェネツィアの貴族ニコロ・ゼンだとされる。いちばん手をかけられたのは両手で、筋と血管まで拾い上げられている。




