
オーストリアのマリアナ、摂政王妃
作品情報
ストーリー
1665年にフェリペ4世が没し、王位は3歳の子どもに渡った。母のマリアナ・デ・アウストリアはそれから10年間、摂政として政務を執る。カレーニョが1670年ごろに描いたのは、その務めの最中の姿である。黒い布を掛けた机には書類とインク壺と羽根ペンが並び、彼女の手は書きかけの紙に触れている。
白い頭巾に黒いベールは、スペイン宮廷の未亡人が着る喪服である。王妃は生涯これを脱がなかった。背景はマドリードのアルカサル宮殿の鏡の間で、大使を迎える公式の広間だった。金縁の鏡も、暗い大画面も、高い窓も、当時の人にとっては王朝の継続と権威を語るものだった。宮殿は1734年のクリスマスの夜に焼け落ち、この部屋は残っていない。




