
Paolo Uccello · PD
サン・ロマーノの戦いでのニッコロ・マウルジ・ダ・トレンティーノ
作品情報
ストーリー
この板絵の上の両端を覆う暗い茂みは、パオロ・ウッチェロ自身が描いたものではありません。1438年ごろに描かれた当初、三枚組の《サン・ロマーノの戦い》はどれも上部がアーチ形で、注文主であるフィレンツェの有力者バルトリーニ・サリンベーニの邸宅の、丸天井の下に収まるよう作られていました。のちに上部がおよそ64センチ切り落とされ、角が埋められて長方形になったのです。
ナショナル・ギャラリーの調査で、この継ぎ足し部分の材料が本体と違うことがわかりました。下地は額縁職人が使う純粋な石膏で、絵具には本体のクルミ油ではなく亜麻仁油が混ぜられ、緑には15世紀のトスカーナで使われた人工の孔雀石が使われています。角が塗られたのは15世紀のうち、おそらく1484年ごろで、ロレンツォ・デ・メディチが三枚を自分の館に移し、横一列に並べて飾ったときだと考えられています。手がけたのは、ロレンツォに遣わされてこの板絵を運び出した木工職人フランチョーネだった可能性が高いとされます。





