
Antonio da Correggio · PD
我に触れるな
作品情報
ストーリー
復活したキリストが、朝の園でマグダラのマリアの前に現れる。「われに触れるな」と告げるその場面を、コレッジョは16世紀初めのエミリアの柔らかな光で包んだ。キリストの両手には何もない。右腕を高く天へ上げ、左手でひざまずくマリアをそっと押しとどめている。彼女が最初この人を園丁と思ったことは、足もとの道具が語っている。画面右下、木の根方に、鍬と長い木の柄、麦わら帽子、白い布が、静物画のような丁寧さで描き込まれている。マリアは当時娼婦の色とされた黄の衣をまとい、草の上に膝をついて手を伸ばす。パルマの片田舎で働いたこの画家の絹のような肌合いと優しい陰影は、のちのバロックの画家たちを驚かせることになる。伸ばした手と身を引くキリストのあいだの、触れられそうで触れられない距離がこの絵の中心にある。




