
硬貨の並んだ机に座る老人
作品情報
ストーリー
老人が硬貨で覆われた机にひとり座っている。それがこの絵のすべてだ。1640年代のオランダ共和国は、ヨーロッパでも有数の豊かな国だった。ハールレムの画家たちは、金が人にどう作用するかを説く小さな戒めの絵を、飽きることなく描き続けた。ヘンドリック・ヘリッツ・ポットは、これを一対の片方として制作した。もう一方は現在ボンの美術館にあり、宝石や貴重品を並べた机に向かう老女を描く。二枚あわせて、体が衰えてもなお富にしがみつく悪徳、すなわち貪欲についての教訓となる。ここに描かれた顔は、実在の誰かの肖像ではない。ポットはそれに名を与えず、ただ年齢と、山と積まれた硬貨と、それを手放そうとしない両手だけを与えた。

