
Diego Velázquez, Old Woman Cooking Eggs, 1618. Wikimedia Commons. · PD
卵を焼く老女
作品情報
ストーリー
これもベラスケスがセビーリャにいた十代の終わりの作で、まだ二十歳にもならぬ手で描かれている。年老いた女が、素焼きの鍋で卵を煮ているところだ。手前には真鍮の乳鉢、瓜、ガラスの油差し、白い皿が置かれ、少年がメロンと瓶を抱えて立つ。若いベラスケスは、卵が油のなかで白く固まっていく一瞬や、器のふちに映る光、粗い陶器の質感を、驚くほど克明にとらえた。彼はここで、台所のありふれた道具と老女の手だけを主役に選んでいる。人物たちの視線は交わらず、それぞれが自分の手もとを見つめている。




