
Diego Velázquez · PD
鏡のヴィーナス
作品情報
ストーリー
ベラスケスが1647年から1651年ごろに描いたとされる裸婦像で、現存する彼の唯一の裸体画である。当時のスペインは異端審問のもとにあり、裸婦を描くことは危険をともなった。だからこの絵も長く個人の邸宅にひそかに納められていた。横たわるヴィーナスは背を向け、息子である愛の神クピドが支える鏡に、ぼんやりと自分の顔を映している。鏡の中の顔は、体の若々しさとは不釣り合いにおぼろげだ。1914年3月、ロンドンのナショナル・ギャラリーで、女性参政権を求める運動家メアリー・リチャードソンが、肉切り包丁でこの絵に七か所の傷をつけた。仲間の指導者パンクハースト夫人が逮捕されたことへの抗議だった。傷は丁寧に修復され、いまも同じ美術館の壁にかかっている。




