
Eugène Delacroix · PD
墓地の孤児
作品情報
ストーリー
1824年、若きウジェーヌ・ドラクロワは、その年のサロンに出す大作《キオス島の虐殺》に取り組んでいた。ギリシア独立戦争のさなか、オスマン帝国軍がキオス島の住民を虐殺した事件を主題にした絵だ。この《墓地の孤児》は、その制作の途中、同じ2月に描かれた習作だと考えられている。墓場にたたずむ一人の少女が、口を半ば開き、涙のにじむ目を不安そうに斜め上へ向けている。片方の肩があらわになり、青や灰緑の沈んだ色が、彼女を包む。少女が見上げるその視線の先に何があるのかは、画面には描かれていない。




