
Jean-Antoine Watteau · PD
ピエロ
作品情報
ストーリー
1718年ごろ、ワトーはこの等身大のピエロを描いた。イタリア喜劇の道化ピエロが、白い繻子の衣装に身を包み、両手を垂らして正面に突っ立っている。背は少しかがみ、うつろな表情でこちらを見つめ、足もとには仲間の役者たちが顔をのぞかせる。かつては《ジル》と呼ばれ、芝居小屋の看板だったとも言われるが、正確な用途は分かっていない。ワトーはこの数年後、36歳で結核に倒れる。祝祭の情景を描き続けた画家が、人を笑わせるはずの道化を、これほど寂しげに大きく据えたのは珍しい。白い繻子のなめらかな光沢が、静かな画面にほのかに残る。現在はパリのルーヴル美術館にある。




