
男の肖像
作品情報
ストーリー
この肖像の上端に、カリエールはフランス語で「わが友ベルトーへ」と書き、続けて自分の名と1879年の年記を記しました。モデルについて分かっていることは、ほぼこの献辞だけです。美術館は献辞のベルトーその人と見ていますが、それにも疑問符を添えており、名の方は伝わっていません。
1879年のカリエールは30歳、結婚して間もなく、まだ無名でした。友人の顔を描き、上端に一言添えて贈るのは、パリの若い画家たちのあいだではありふれた心づかいでした。この一枚は1909年までに海を渡り、ニューヨークのデュラン=リュエル商会の手にありました。印象派のためにアメリカ市場を切り開いたパリの画商です。同じ年、商会はこれをボストンの収集家フランク・ゲア・マコンバーに売りました。カリエールと同じ1849年生まれのマコンバーは、1936年にこの絵をボストン美術館に寄贈しています。

